サッカラのピラミッド(階段ピラミッド)
今日はピラミッドを見に行こうと思う。
当初の考えとしては、とりあえず地下鉄で行き、駅から遠ければそこからタクシーで行こうと思っていた。
朝起き、スタッフに聞いてみたところ、どうやら電車の駅は遠いらしい。 タクシーでここからギザまで25ポンドくらい、ギザからサッカラまで25、サッカラからメンフィス遺跡までは近く、そこからダハシュールまでも25くらい、といっていた。
だが、そのスタッフが言うには、一日タクシーをチャーターしたほうがいいと言う。 どうやら、それで130ポンドとのこと。
それはいいやと思ってそうすることに。 交渉してくれるとも言っていたが、経験を積むためにも、自分でやってみることに。
支度をして、道に出る。
道に出て、よしっ、と思ってタクシーを探す仕草をしただけであっという間に4台くらいのタクシーが近づいてきた。
いやー、アリのような嗅覚があるな。(苦笑)
そのうちの何人かは、目がギラギラしていて、いかにもお金欲しいですといわんばかりの怪しげな人であったのでなかなか乗りたいとは思わなかった。
だが、そんなときにふと来た、人の良さそうなおじいさんを見つけたので、近くに止まっている数台のタクシーを無視し、そのおじいさんのタクシーに乗ることに。
行き先を書いた紙を見せ、値段を言うとOKだという。
どうやら、英語が分からないおじいさんのようで、こういう人を選んで正解だった。
そのおじいさんは、どうやら市内専門のタクシーらしく、借主(?)の元へといって、ダハシュールなどに行っても良いかどうか、お伺いを立てていた。なるほど。
そして、ピラミッドへ。
行き先は4つだ。
ギザのピラミッド(3つのピラミッド、といわれている)
サッカラのピラミッド(階段ピラミッド)
メンフィス遺跡(大きなスフィンクス。ラムセス2世の古都)
ダハシュールのピラミッド(ギザに優るとも劣らない大きなピラミッド)
そして、最初はギザのピラミッドに行って、入場制限のあるクフ王のピラミッド内部に真っ先に入ろうと思っていた。
ところが・・・、だ。
このおじいさん、どうやら道が分からずに勝手に進み、サッカラ(階段ピラミッド)の方に来てしまったようなのだ。
その入り口近くに来てようやく「最初にサッカラ(階段ピラミッド)を見る」と言い出すありさま。
おいおい。聞いてないぜ。 やってくれるぜ。(苦笑)
これでタクシーはトラブルがないと思っていたのに、いきなりこれかよ。
ギザのピラミッドに入れなくなったじゃないか!
このクソじじい!
笑ってんじゃないよ!!!
ガイドブックで運転席のシートを何度か叩く私に、おじいさんもちょっとやばかったことに気付いたようだ。
そりゃやばいよ。 どうしてくれんだ。
でも、もう目の前だから今から移動しても仕方がない。
そのまま行ってもらうことに。
まったく・・・。
サッカラの階段ピラミッドは、そんなトラブルを別にすれば、それはそれは素晴らしいものだった。 何せ、テレビなどでは「大きさ」が分からないので、実際に来て見るとその「大きさ」にびっくりする。 これほどまでに大きなものを作る、という、それが単純にびっくりだ。 |
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周囲はこんな感じ。 砂漠ほどではないが、荒廃した砂地が広がっている。 |
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このピラミッドにも、案の定、怪しい案内人などが内部でたむろしていた。 入り口で既にチケット確認を済ませたのにも関わらず細い通路の前で再度チケットをチェックして、それを返さずにどこかへ連れて行こうとする胡散臭い男。 |
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胡散臭い男 |
とっさにチケットを奪い返したが、そのままラクダで砂漠に直行させようとしていたのかもしれない。
噂に聞いていた、「行って50ポンド、帰ってくるのに50ポンド」、というやつだ。
案の定、その先にはラクダなどもいたのでやばかった。
でも、ギザはもっと悪質だというので、こちらに先に来て、生易しい人に対処しておいて正解だったかもしれない。
ツアー客が、後ろからどっとやって来た。 | |
ざーっと、いきなりいなくなった。 さすがはツアー客。 |
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周囲を散歩する | |
よくわからない山状のものがある。 これもピラミッド? |
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周囲にある、建物のようなもの。 その横には、ラクダ乗りのおじさんがいる。 |
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ちょっと遠くに来て眺める。 | |
ラクダ乗りのおじさん。 | |
ラクダとサッカラの階段ピラミッド | |
ラクダ乗り。 いくらするのだろう・・・。 私は一人なので、客とみなしていないようだ。(苦笑) |
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団体客に群がるラクダ乗りのおじさん(苦笑) | |
再度遠くから眺める。 | |
サッカラのピラミッド(階段ピラミッド)に近づく
近くに来て、見上げてみる。 これは大きい・・・。 |
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発掘あるいは盗掘に使ったと思われる穴が見える。 | |
それにしても大きい。 | |
横を通って、裏にまわってみる。 | |
周囲にある、小さな建造物。 上はもう崩れてしまっている。 |
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階段ピラミッドを見上げる。 | |
階段ピラミッドは、とても急だ。 | |
裏にまわってみると、なにやがガイドが説明をしていた。 | |
日本人客も多い。 その周囲に群がるお土産売りのおっさん(苦笑) |
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周囲は、こんな荒廃した大地。 荒廃とおじさんたちの熱気と、そのギャップが・・・。(苦笑) |
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ふと遠くを見てみると、ピラミッドのようなものが見える。 随分と形は無骨だが。 |
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周囲に広がっている、土の盛り上がりというかなんというか。 | |
ピラミッドの横に、何やら覗き込むようなものがあるらしい。 ガイドの人が説明をしていた。 |
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この人も、覗き込んでいる。 | |
どれどれ・・・・。 なるほど。 そういうことか。 |
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そして、ここを後にする。 | |
さらば、サッカラ | |
ここが、私のピラミッド初体験の場所となった。 (まあ、そんなに大げさなものではないけれど) |
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サッカラのマスタバ(墓)
サッカラの階段ピラミッド周囲をぐるりと一周し、車へと戻ると、敷地内にあるもうひとつの遺跡へと移動した。
そこで、ちょっとした墓の中に入った。
マスタバとはアラビア語でベンチを意味する単語で外見の類似からこの名で呼ばれるようになったらしい。
ここがマスタバ(墓)のようだ。 | |
その入り口で、勝手にポーズしたのにも関わらず料金を請求してくる馬鹿オヤジがいた。 噂に聞いていたのは、これか。(苦笑) いやー、おもしろい。 |
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ポーズをする直前 |
私はポーズ写真をうっかり撮ってしまったが、この男を取ったのではないのだからお金は渡さなかった。(映りが悪いので掲載はなし)
私は入り口の横の壁画が取りたかったのだ。
この親父がいきなり飛び出てポーズしたおかげで壁画が隠れてしまったではないか。
邪魔しておいてお金を渡すわけもない。
これこれ。 これを撮りたかったのだ。 | |
周囲に書かれてある壁画。 | |
中にも、これ以上に壁画が多く描かれている。
壁画を見ていると、ふと次のような思いがふっと頭に浮かんだ。
エジプトは、オスマントルコの時代からアラブ化が始まって、それ以前は全く違った文化だったのかなあ、と。
まだ勘の段階で、本当にそうなのかは分からないが。
周囲に見える景色。 | |
周囲にたむろしているおじさん。 | |
遠くに見える階段ピラミッド | |
掘っ立て小屋にいるおじさん | |
そして、サッカラを後にしました。
メンフィス遺跡
サッカラから車に乗って、メンフィス遺跡へと向かう。
途中、絨毯売り場に立ち寄る(苦笑) | |
中にはほとんど人がいない。 人が大勢入れそうだ。 団体客が大勢ここに来るのだろうなあ、と勝手に想像する。 |
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ふと外に出ると、いきなり雨が・・・。 エジプトに雨。 でも、数分ですぐに上がった。 |
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そして、メンフィス遺跡へ。
エジプト古王国期の統一王朝最初の都。
メンフィス遺跡は、小さな村の中に、ちょこんとスフィンクスおよびラムセス2世の大きな像が飾られていた。
ラムセス2世の像。 | |
スフィンクス。 微妙にしょぼいが、スフィンクスの状態は良いかもしれない。 少し小さいが。 (写真でみるとほころびが目立つが、実際に見たら、気にならず、 むしろ保存状態がいい気がした。他がぼろぼろ過ぎるのかも・・・) |
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後で知ったことだが、これはアラバスターの一枚岩を掘ったもので、いわゆる高級なスフィンクスらしい。 それが、よく見えた原因かも? |
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奥にも像がある。 | |
立派な像 | |
遠くを見ている。 ラムセス2世? |
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そして、同じ道を通って駐車場へと戻る。 | |
スフィンクス | |
スフィンクス。 | |
おみやげ物屋も、もちろんある。 | |
小さな像が、お見送りをしてくれた。 | |
では、おじゃましました。 | |
ダハシュールの「赤のピラミッド」
そして、メンフィス遺跡を出て、ダハシュールに。
ここが、これまた大きくてびっくりした。
砂漠の中にちょこんとそびえ立つダハシュールの「赤のピラミッド」。 これは見ごたえがある。 まずはここに向かう。 |
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遠くに見える「屈折ピラミッド」 | |
もう少し近づいたところ。 「赤のピラミッド」 これは圧巻だ。 タクシーチャーターしているので、途中で止めてもらって写真を撮った。 バスやシャトルとは違って、こういう勝手が効くのがタクシーのいいところだ。 |
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赤のピラミッドの駐車場に止めると、ちょうど太陽がピラミッドの後ろにあった。 日陰部分は、これほどまでに日差しが違う。 いかにエジプトの日差しが強いか、がわかる。 |
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そして、駐車場からピラミッドの入り口の方へ。 | |
j周囲には、ラクダもいる。 ここまで来ている車はそんなに多くないようだ。 |
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階段を上り、ピラミッドの入り口へ。 | |
階段を登ってゆく。 | |
わりと高いところまで来た。 いい景色だ。 |
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ピラミッドの入り口で入場を監視している人たちとガイド。 どうやら、中には入れるという。 (このスーツの人は何だったかな・・・。) |
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ちょうど日本人ツアー客とタイミングが一緒になって、そのガイドの人が、「特別に写真機を中に入れてくれると言っています」と案内していたので、その客に混ざって私も中に入った。 普通は写真機は入れられないそうだ。 別料金はかからず。 これはお得。ここまで来るのが遠いということはあるが。 |
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中はかなり奥深く、最後には大きな部屋があった。 通路はとても狭く、かがんで通る必要があった。 |
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足元を見ると、石が通路の周囲に積み上げてあったり。 ここに見えるのは小さな風の穴なのか、何なのか。 |
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上を見上げる。 | |
階段。 整備された階段もある。 斜面を歩くようなところもある。 |
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戻ってきたら、足ががくがくになっていた・・・。
入り口から遠くを眺める。 いい景色。 |
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そして、ピラミッドから降りる。 | |
ギザのピラミッドにこの後入ったのだが、足ががくがくしなかったので、ここが一番きつかったかもしれない。
安いし巨大だし、中は誰でも見れるし、さすが、ガイドブックに「ギザと並んでオススメ」と書いてあるだけのことはある。
そして、いよいよギザのピラミッド(3つのピラミッド)へと向かう。
(後で気がついたのだが、「屈折ピラミッド」をスキップされてしまった。 まあ、遠くに来ることがないおじいさんだから仕方がないかな、とも思う。 後になって思えば、ひとつやふたつは誤差の範囲。)
ギザのピラミッド(3つのピラミッド)
ダハシュールの「赤のピラミッド」を見た後、ギザのピラミッド(3つのピラミッド)へと向かった。
そこまではかなり遠かった。
ずっと走り、12時近くになって到着。 | |
タクシーの窓から見たピラミッド |
駐車場に到着。 すると、いきなり、入場券はあるかと聞いてくる胡散臭い人や、こっちへ来いと言ってくる胡散臭い人がわんさか。 車が通ろうとするだけで通行料よこせと言って来たり、もう、何でもありの状態だ。 |
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クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
そういった人を無視して入場券を買い、中へと入った。 いやー、さすがにこれは大きい。 |
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カフラー王ピラミッド |
有名なだけはあるし、なんだかんだと言って、先ほど見てきたピラミッドより貫禄があるような気がする。 | |
クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
上を見上げる。 | |
クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
入り口が見える。 | |
クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
ちょっと階段を登って入り口まで行ってみる。 が、どうやら空いてないみたいだ。 やはり時間か。 檻があって閉まっている。 その前にいる寝ている3人は何だ・・・? |
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クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
ピラミッドの周囲には、人がそこかしこに。 | |
このピラミッドがやはり一番だ。 (クフ王ピラミッド(大ピラミッド)とカフラー王ピラミッド) その周囲にいる、胡散臭い人の多さもこれまた一番。(苦笑) 前情報が、ほんとにそのままそこにあって、なかなか笑ってしまった。 |
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カフラー王ピラミッド |
立派なピラミッド クフ王ピラミッド(大ピラミッド)だ。 |
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クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
横の通路を取って、違うピラミッドへ(3つある) | |
カフラー王ピラミッドもかなり立派。 | |
カフラー王ピラミッド |
クフ王ピラミッド(大ピラミッド)を見上げる。 | |
クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
カフラー王ピラミッド。 いやあ、立派 |
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カフラー王ピラミッド |
クフ王ピラミッド(大ピラミッド)もこれまた立派 | |
クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
少し曇っていたが、いきなり晴れてきた。 随分と見た目が変わるものだ。 |
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クフ王ピラミッド(大ピラミッド) |
ここには、無理やりおみやげ物を持たせようとする人、ラクダに乗せて遠くに連れて行き、帰ってくるのに同じだけ料金を請求するのではないかと思われるラクダ乗り(行きに50だとしたら帰りにも同じだけ取る、悪どい方法らしい)や、おみやげ物を買うまで付きまとう人。
などなどいろいろいたが、確かに、いるにはいるのだが、アジアと比べて悪質ではないのが救いである。 全く悪びれずにやっているので、それが当然と思っているようだ。 そんな人を無視して、ピラミッドを見ていた。
ここで、まだ周囲をぐるっと回っただけだがかなりおなかが空いてきたので、ピラミッドを更にきちんと見る前に食事をすることに。 近くにケンタッキーがあると聞いており、確かスフィンクスの横と記憶していた。 近くの警備員に聞いてみるとたしかにあるようなので、そちらの方へと行ってみることに。 |
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スフィンクスの方へと少し歩き、ふと見返すと、そこに3つのピラミッドが並んで見えた。 右から カフラー王のピラミッド メンカウラー王のピラミッド 王妃の小ピラミッド (俗に言う3つのピラミッド、クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3つではない・・・ 筈。 位置的に。) |
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3つのピラミッド |
そして、更に、スフィンクスの方向へ。 | |
スフィンクス。 「ナポレオンが鼻をそぎ落として持ち帰った」と噂に聞いていたが、更に調べると、「大砲の目標にして、命中した鼻の部分が吹き飛んだ」ともあった。 なんとまあ、ヨーロッパ人の身勝手は・・・。 とも思ったが、更に調べてみると、それすらも風刺であるとあり、本来の原因はよくわかっていない、とあった。 ふうむ。 |
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それにしても大きい。 メンフィス遺跡のものとは大違いだ。 |
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どうやら、一度エリアを出なくてはいけなかったので、確認したところ、食事を食べてから戻るのはOKだという。
遠くに見えるケンタッキー。 | |
入り口のフェンスの外には、中に入れずに外から見る人の姿が・・・。 | |
そして、ケンタッキーに入る。 いやあ、ようやくありつけた食事。一気に食べてしまった。
そして、再度ピラミッドの方へ。 | |
スフィンクスが目の前にある。 | |
近くで見ると、 周囲の石の中に埋もれるように見えるスフィンクス。 |
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周囲の通路を通ってスフィンクスの近くへ。 | |
スフィンクスの近くに来た。 これ以上は近づけない。 |
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スフィンクスとギザのピラミッド(大ピラミッド) | |
遠くを見つめるスフィンクス。 確かに「顔がのっぺら」だが、言うほどのっぺらではない。 どうやら、噂に聞く修復工事の成果なのか。 |
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手がきちんとある。 | |
ここでふと思い立った。 今は1時半なので、もしかしたら午後の「ギザピラミッド内部チケット」が発売されている時間なのではないかと思って、行ってみることに。 |
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だめもとで行ってみたのだが、何と、チケットを買うことが出来た。 やりい。 でも、値段がびっくり。100ボンドだって。高すぎ。 だからエジプト人はむかつくとか言われるんだよ。 |
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入り口に行ってみると、カメラを持って入ってはいけないと言われた。 | |
入り口でチケットを見ている男たち。 さっき寝ていた3人か。 |
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ふと気がつくのは、何やら、横にはカメラが多く置いてあって、そのエジプト人は手にお金を持っていること・・・。
なんじゃこれは・・・。
どうやら、先ほど檻の前で寝ていたこの3人は、「カメラは持ち込めない。見ていてやるから金よこせ」とやってる胡散臭い男たちであることが判明。
こういうの辞めさせろよ。
もって入れないなら、チケット売り場で預けさせろよ。
だから、エジプトの旅行は、時々「最悪」と書かれるんだな。ルールが決まっていない、好き勝手やっている、ルールを決めようとしない(ように見えてしまう)、などなど、エジプトの偉大な文化を破壊して乗っ取ったアラブが、その侵略者の強さを掲げて、過去の文化を食い物にしている、と思えてしまう。
実際のところはともかく、それだけ悪質なものが時にはあるのだ。
まあ、今回の場合、タクシーをチャーターしていたので、ちょっとカメラを置きに行って、それから入ればよかったのであるが。
どちらにカメラを預けるか悩んだが、タクシーに預けるか胡散臭い男に預けるかとどちらがいいか考え、タクシーを選んだ。どちらも信用していなかったが、中に入るためには仕方がなかった。
後から思えば、タクシーは誰も見ていないからそのまま逃げられるのに対し、入り口の男の場合は人目が常にあるので、もしかしたら入り口の男に預けた方が安全だったかもしれない。 今回の場合、タクシーのおじいさんの人が良さそうに見えたからこのように判断したのですが、胡散臭い男であれば、また選択も違っていたかもしれない。
ピラミッドの中は、テレビで見た「大回廊(?)」を見ること出来て、いい見納めになった。
実際、中はこのギザのピラミッドが一番大きくて広くて、確かに良いと思える。でも、100ボンドの価値はない。 もうエジプトに来なくていいと思うための値段にしては安いかもしれない。
もう私は来ないだろうな。少なくともカイロには。
そして、その近くにあるカフラー王ピラミッドの中にもはいってみることに。
この中は、クフ王のピラミッドほど広くないが、これでもなかなかのもの。
これで4分の1の値段、25ボンドである。
クフ王のピラミッドも、このくらいが適正価格であると思う。
単に有名なだけでボッタクリをするエジプト人には天罰が下るよ。
それにしても、このピラミッドに登って落ちて死ぬ人が続出するというのもよく分かる気がする。
砂漠の砂が石の上にあって滑って危険だろうし、ところどころ風化して崩れかけているし、かなり級で、登ったら降りてくるのが恐ろしいくらい。
はっきりいって、登っている人など見なかった。午後で人目が多いということもあるだろうが。
登っても何の自慢にもならず、ただ単に遺跡を壊した人として冷ややかな目を向けられる、そういうものであると感じた。
やっていることのレベルは、ピラミッドの周囲でボッタクリを続けるエジプト人と全く変わらないところにまで落ちてしまう。
ピラミッドに登ることはそれと同じくらい下劣で価値のない行為だと、ここに来てそう思った。 登って自慢している人もいるようだが、ここに来てみて、それが馬鹿げたことである、と感じることになった。
そして、心残りもなくなり、町へと戻る。
町に戻る途中、ATMからお金を降ろした。(クレジットカードのキャッシング)
思いのほかピラミッド周辺でお金を吸い取られて、かなり財布の中が減ってしまった。
そして、エジプト歴史博物館の前で降ろしてもらう。
お金を払ったが、何か態度がおかしい。
少ない、と言っている。
私が歩いて離れようとすると、ついてくる。
ちょうどいいことにツーリストポリスがいるので、その数人で話をする。 野次馬も集まってくる。(苦笑)
このエジプト人は英語が全くわからないので、その野次馬のお兄さんに通訳も兼ねてもらう。
どうやら、このエジプト人ドライバーは300ボンドを要求しているようだ。
当初の約束は130ボンドであったのだが、このドライバーは英語が話せなかったので、何か勘違いしたのかもしれない。
それはともかく、さてどうしようかと思い、こんなこともあろうかと仕込んでおいた小銭の束を出し、90ポンドほど上乗せをして、220ポンドにしてみました。
このドライバーは後80だといっているようだが、それは出せないと拒否した。
何度も何度も同じことの繰り返しで、ツーリストポリスも「又か」といった表情を繰り返している。やはり、こういう料金トラブルはよくあることのようだ。
結局、私の料金で押し切り、220ポンドを渡して、最後は握手(私から手をつかんで握手した)をして決着をつけた。
もともと130ボンドの相場に対して220ボンドと言うのはちょっと高いが、思いのほか時間もかかったし、このくらいでいいか、という線だ。ちょっと高いが。
これだからエジプト人は嫌われる。
まあ、このおじいさんドライバーはそれでもいい人のようであったが、思わずやってきたカモをうまくしとめられなかった? 或いは、悲しいそぶりをしているだけか?(そうは思えないが・・・)
ともかく、それで決着をし、先日から頼んでいた寝台列車の切符を取りにいく。
このすぐ近くだ。
事務所に入り、ちょっと待ってくれといわれてはや1時間、なかなか来ない。もうちょっともうちょっとと待っていて、1時間半ほどでようやく切符が入手。
ふう。
どうやら今日の8時出発のようだ。
ラムセス駅ではなく、ギザ駅からの出発のようだ。
そうと決まれば、ホテルに行って支度をしようと思う。
ホテルで荷物を整理し、シャワーを浴び、チェックアウトを済ませ、いざ、ギザ駅へ。
ギザ駅は、何やら怪しげな雰囲気が充満していたが、時間が経つに連れ、外国人の客が増えてきた。 安い列車で移動する場合はこの人に混じるのか・・・と思いつつ、エジプト人たちのたくましい姿を見ていた。 |
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列車の掲示板もないし、時刻表もないが、ツーリストポリスに聞くなりして時間を待った。 | |
寝台列車では、その入り口でチケットをチェックしている人がいたので、さほど迷わずに列車に乗り込むことが出来た。
席が取れていなかったらどうしようと思っていましたが、無事、取れていた。
ラムセス駅で言われた「席がない」の言葉は一体なんだったのか・・・・。 ラムセス駅が工事中でギザ駅が出発だったから、ラムセス駅ではなくギザ駅に来ないとこのチケットは手に入らなかった、ということなのかもしれない。
そんなことを思いつつ、列車に乗り込み、食事を済ませた。
機内食より少し良いかもしれない程度の食事を済ませ、そして、ベッドで横になる。
さて、明日はアスワンだ。
当初はルクソールで降りようと思っていましたが、着く時間も微妙なので、アスワンまで行くことにする。 電車が遅れたりすることも考えると、着く時間の予想も大変だし。(チケット的には、ルクソールで降りようがアスワンで降りようがどちらでもよい。)