カラクルム遺跡(Calakmul) へ移動
それにしても静かだ。 | |
ホテルの名前を伝えることができなかったので、約束通り代理店の前で待つ。 | |
6時少し前から待ち、15分ほど過ぎた頃に、先日予約を行った代理店のおじさんが現れた。 すると、乗る車はすぐに来るという。 ここで代金の850ペソを渡す。 おじさんは再度、泊まりのツアーにしないのかと聞いてきたが、"行きたいが時間が限られている"と答えたら納得してくれた。
そして現れたのが普通の乗用車。フォルクスワーゲンの少し古い型のようだ。 予感が的中した。 3人だと言っていたのできっとこのくらいの車になるだろうと思っていたのだ。 そして、先日予約した時点では3人だったのが、4人に増えている。 これは危ないと思い、前の席を確保した。 まだ空いていてラッキーだった。 エジプトのアブシンベルツアーの二の舞になるところだった。 私が乗り込んだときは既に後ろにメキシコ人夫婦が2人座っていて、夫の方は片言の英語が喋れるようだった。
そしてもう1人乗り込むのかな・・・ と思って違う宿の前に行ったが、代理店のおじさんもそこに移動していて、しばらくした後にそのまま走り出した。 スペイン語がわからないのでやりとりが全くわからないが、きっと残りの1人は違う車で行くのだろうと予想する。(それは当たっていた)
そして、車は走り出す。 | |
明け方の空いた真っ直ぐな道を、車は快適に飛ばして行く。 | |
途中で看板が見えてきた。カラクムル遺跡までは250km以上あるようだ。途中の看板がこれなので、カンペチェからはもう少しあるのだろう。 それを1日で移動するのだから、やはりアブシンベルほどではないにせよかなりの移動距離になる。 | |
まず南下し、Francisco Escarcegaで西に方向を変え、カラクムルを目指すとのことだ。 | |
次第に朝日が昇り、道がよく見えてくる。 | |
そして、到着時間を簡単に確認し、再度、車に乗り込む。 | |
ここから先も快適な道。 必ずしも高速道路ではないようだが、それにかなり近い。たまに民家近くを通り過ぎるときはスピードを落とさせるために段差が意図的についていることを除けば100km近い速度で車は快適に飛ばす。(段差はここだけではないが。) | |
周囲はジャングル。 カンクンからメリダに移動したときもジャングルの中だったが、ここもまたジャングルだ。 町あるいは集落を外れるとすぐにジャングルになる。 集落がジャングルに囲まれていると言ってもいい。 |
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そして数時間走り、方角を南に変える。 ここからは細い道だ。 入り口に門番がいて、そこでこの区域に入るための入場料40ペソを払う。 | |
ここから先はぎりぎり2車線の幅の、深いジャングルを抜ける道だ。 最初は真っ直ぐな道が多かったが、次第にカーブが増えて行く。 | |
視点を変えると、それはつまり、この国のツアーがそれだけレベルの高いものであるとも言えるかもしれない。 ツアーに参加すれば私のようにかかと付アウトドアサンダルでジャングルの中に遊びに来ることができる。 食料も昼食分しか持たず、非常食もない。 それだけこの国の観光整備がされているということのように思う。 | |
ただ、それを支えるために、道の途中で何回も検問があって、運転手は身分証明書を何度も見せていたし、ジャングルの中に入るときは名前をチェックして全員無事にジャングルを出ているか確認していた。 そういう裏の仕組みがあってこそツアーが無事にまわっているのだろう。 | |
そして車はジャングルの奥へと更に入って行く。10km、20km、30kmといつまでもこのような細い道を進む。 | |
すれ違いもかなり少ない。 | |
そして12時を越え、ようやくカラクムル遺跡(Calakmul)に到着。 長かった。 代理店の主人を乗せた車は先に出発していたので、やはり先に着いていたようだ。 予定では到着11時ということだったので、既に1時間以上遅れている。しかし、滞在時間は短くしないようで、ここで3時間の滞在をする。 やはり帰りが9時になる予感がしてきた。 建物のところで再度入場料を、たしか40ペソほど払う。 |
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ガイドブックには入り口で英語の地図が買えるとあったが、地図は売っていなかった。 その代わりに、入ってすぐのところに地図の看板があり、それを元に代理店のおじさんが説明してくれた。 | |
そんなこんなで、3時間の滞在を楽しむ。 | |
カラクルム遺跡(Calakmul)
少しだけジャングルの中を抜けると、すぐにピラミッド群の中に出た。 | |
まず見えてきたピラミッド・第8建造物 (Estructura No.8)だが、ひとまずこれに登ってみることにしました。 これに登っている人は多くないようだが、一生懸命登る。 特に禁止もされていないようだ。 | |
すると、ジャングルの上からピラミッド・第2建造物 (Estructura No.2)およびジャングルの彼方までよく見渡すことができた。 絶景である。 どうやら目の前にあるピラミッドの方が高い位置にあるようだ。 |
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私が登ったのを見て、メキシコ人夫婦も後を追って登ってくる。 この絶景が待っているのであれば、登ってよかった。 |
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周囲全てがジャングルである。 | |
そして最初のピラミッド ・第8建造物 (Estructura No.8)を降り、次のピラミッドへと向かう。 | |
周囲にも興味深い建造物が沢山ある。 | |
そして次のピラミッド・第2建造物 (Estructura No.2)に登る。 | |
これまた高い。この遺跡で最大の建造物だ。 | |
まだピラミッドに登り慣れていないせいか、登るのも降りるのもきつい。だが、この2つ目のピラミッドを登り切る頃には、少しづつ慣れてきた。 こつがあるようだ。 | |
このピラミッド・第2建造物 (Estructura No.2)からは、先ほど以上の絶景を見渡すことができた。 素晴らしい。 |
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斜め後ろを見ると、もう1つのピラミッド・第1建造物 (Estructura No.1)が見える。 これが最後かと思っていたら、まだあるようだ。 (この写真がそうだったかどうかは失念) |
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それと、先ほど登ったピラミッド・第8建造物 (Estructura No.8)が少し下に見える。 思いのほか景色が違ってびっくりである。 | |
それにしても、周囲は遙か向こうまでジャングルが広がっている。
ここで、私の目が急に冴えてきた。
今までジャングルの木々をはっきりと見ていなかったようです。 だが、急に目が覚めたのか、或いは、意識が変わったのか、急にジャングルの木々の濃さと薄さがはっきりと私の目に見えてきた。
今までは、頭の中がなにか寝ぼけていたようだ。
旅をしていると、こういうときがたまにある。 素晴らしい景色、或いは素朴な情緒に触れることにより、急に意識がはっきりしてくる瞬間。
珍しい景色そのものや、美しい風景そのものももちろん良いのですが、私がむしろ求めているのはこのような、急に意識がはっきりしてくる瞬間だ。 それはとても心地よい。
ここカラクムル遺跡に来て本当によかったと思う。
この瞬間、ここが私の個人ランキングのナンバーワンになった。
ジャングルの奥深さも確かに顕著なものがあるが、それ以上に、ここに来て感じられた感覚の良さがランキングのナンバーワンに押し上げた。
そして、メキシコ人夫婦が登ってきて、そして、一緒に降りる。 どうやら、横の階段がなだらかで上り下りしやすいようだ。 なるほど。
そして3つ目のピラミッド・第1建造物 (Estructura No.1)へ。 | |
ここはメキシコ人夫婦は登らず、私1人で登った。 | |
ここもまたよい景色が広がっており、2つ目に登ったピラミッド・第2建造物 (Estructura No.2)の一方向が木々で覆われていたのに比べ、こちらは360度全方向を見渡せるのが良いところであった。 | |
ピラミッドの上から見る景色はジャングルの奥深さを実感させるのに十分だった。 | |
聞くに、ここからグアマテラのティカルも見渡すことができるというが、そちらの方向を肉眼(1.5と1.0)で探したが、それらしきものを見つけることができなかった。 残念。ティカルもまたの機会に行ってみたいところである。 | |
そしてピラミッド・第1建造物 (Estructura No.1)を降り、満足したところで車まで戻る。 かなり満足でテンションも上がっているが、それとは別に、体はもうくたくたである。 車に戻り、もう3時になってしまったが昼食のサンドイッチをほおばる。 やはり2つでちょうどよかったようだ。 |
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そして少しゆっくりした後、車に乗り込む。 どうやら少しだけ大きな車に乗り換えるようで、そちらにもう1名追加で次の目的地に向かうことになった。 後ろの人はきつくて申し訳ないが、追加となったのは細身の女性のようなので後ろで頑張ってもらう。
そして再度細い道を58kmほど戻る。 それにしてもずっとジャングルである。
歩いている途中にメキシコ人夫婦から聞いたが、この周囲、特にメリダの周辺のジャングルには今でもマヤ言語を喋ってマヤの宗教を信仰している人たちがいるとのことだ。 それはそれでびっくりだが、このように奥深いジャングルであればまだ人と接触したことのない、或いはほとんど接触しない部族がいても不思議ではないと思った。
この夫婦はメキシコシティで先生をしているとのことで、妻の方は社会の先生のこと。 道理で、教養のある顔つきをしているわけだと思った。 ここメキシコでは人によってかなり顔つきが違うので興味深い。
バランク遺跡(Balamku)
そして次の、最後の目的地であるバランク遺跡(Balamku)へと向かう。既に4時半に近づいている。閉じるのが5時までとのことなので、それまでに見学を終える。 | |
ここはピラミッドが見物ではなく、ジャガーのレリーフが有名だとか。でも、説明がスペイン語でよくわからなかった・・・。 何やらかっこいい気がしなくもないマークはいろいろ飾られていたが。 | |
そして、日も暮れ始め、カンペチェへと戻る。 | |
5時に出発して約4時間の行程だ。行きと同じ道を、暗くなった中、進んでいく。 | |
途中に休憩を挟んでいるときに少し雑談になったが、後で乗り込んだ女性もメキシコシティに在住しているという。
そこで、メキシコシティの治安について聞いてみたら、確かにトラブルはあるので、誰も信じず、あらかじめ注意して行動すべき。ただ、それでは旅が面白くないので楽しんで! とのことだ。 それと、トラブルになったときにもし望むならメールアドレスを教えるとのことだが、どうやら私がメキシコシティにいる日は彼女はカンクンにいるとのことだった。タイミングが合わないのでしょうがない。 それと、地方の治安についても聞いてみた。 今までトラブルに私は合っていないが、地方のバスに乗ると銃を持っている人が乗ってきて金品を奪われるのは本当かと聞いてみたら、それも本当だという。 うーむ。 どうやら、彼女が言うには、私は今まで運が良かったようだ。 ただ、そうは言うものの、どうやら私は今まで良い人にばかり会えてきたようで、帰国までそれが続くことを願っている、とも言ってくれた。 ありがとう。(苦笑) 付け加えると、ほとんどの人はいい人だが、一部、狂った人がいることは確かだ。だから、前もって注意して、とのようなことを言っていた。
なるほど。メキシコは今まで快適で楽しいところだと思っていましたが、トラブルに会うときは一気に会うと言うことか。 トラブルさえなければ食べ物も人も遺跡も素晴らしいところなので、帰国まで気をつけなくては。
そして、車はようやくカンペチェにたどり着く。9時少し前になっていた。皆を降ろした後、私は1等のバスターミナルで降ろしてもらい、ツアー解散となった。
そして、早速今夜のベラクルス(Veracruz)行き夜行バスを取ろうとするが、なんと、満席とのことだ。やられた。さすがに出発1時間前はまずかったか。クリスマスシーズンでもあるし。代わりに、途中の経由地であるビジャエルモッサ(Villahermosa)行きチケットを取る。 そして出発を待っていたが、どうやら出発が遅れている? 約1時間遅れでようやく出発する。4時半頃に到着の予定だ。ここでなるべく仮眠する。