ドロップボックス(Dropbox)

2016-11-11
トピック:ITスタートアップ: アメリカ

最初は有名な定番からです。Dropboxは既にスタートアップというよりは巨大なビジネスを行っておりますが、日本ではまだスタートアップとみなされているかもしれません。

ドロップボックス(Dropbox)は基本使用料が無料のソフトウェアで、Windows/Android/iOSいずれでも使用できます。Windowsの場合はインストールすると特定フォルダに保存されているファイルをインターネット経由でドロップボックスのサーバに随時自動的に保存・同期できるようになります。インストールした後はフォルダの中にファイルを保存するだけでよく、ユーザは基本的に何もする必要がありません。
一度サーバと同期してしまえば、そのファイルはドロップボックスを通じてどこにいてもどんな端末を使っていてもアクセスできます。他のユーザとの共有もできます。
この有名なソフトウェアは2007年にシリコンバレーのスタートアップ向けブートキャンプYコンビネータで生まれました。
今では大成功したドロップボックスも、スタートアップの初期の段階で成功するかは周囲の投資家にとって予測困難なものだったようです。実際、Yコンビネータにおいては注目されませんでした。しかし、今や誰もが羨む大成功をおさめています。
ドロップボックスが出た時、同様のクラウド・ファイル共有ソフトウェアは多く世の中に出ていました。しかしドロップボックスは勝った。 同様のサービスが既に世の中に多くあることが敗因になるのか? スタートアップはそうは考えない。沢山あるということは市場がある証拠だと考える。有望な市場だと考える。既存サービスが全くない分野には手を出してはいけない、とも言われる。顧客がいないからです。サービスがあるが乱立している状態、いわば勝者がいない状態では、まだ勝てる望みがあるのだ、とスタートアップは考えます。スタートアップが成功するためには巨大な市場が必要です。
スタートアップの方向性は主に3つあると言われる。低コスト化、あるいはニッチ戦略、あるいは高品質。ドロップボックスは3番目で勝ち進んだ。アイデアとしてはファイル共有なんてほかの人の二番煎じです。スタートアップと言うと新たなアイデアを生み出すものというイメージがあるかもしれないが、実際のところ、最初に物事を始めるということはビジネスの勝敗には大して意味がないことをこのドロップボックスは証明しています。

(以下、2018/3/2追記)

Dropboxが伸びている理由はその使い勝手の良さにある。Google Driveの同様のデスクトップアプリケーションが2017年に出たが、早々に配布を停止した。これは、GoogleとはいえDropboxと同レベルの使い勝手の良いデスクトップアプリケーションを作るのは難しいということだと推測する。

MicrosoftのOneDriveのデスクトップアプリケーションも使い勝手が悪く、よく落ちるし、フォルダ移動やファイル名を変更しただけで再度ファイルをアップロードしなくてはならなくなる。フォルダ名を変更しただけでかなりの時間を待たされてしまう。Dropboxであればそのくらい一瞬で同期が完了する。やはり、Dropboxはソフトウェアが優秀だから評価されているのだろう。

DropboxがY Combinatorから投資を受ける時、プログラマが優秀であることが評価された。Dropbox創業者は自他共に認める「天才プログラマ」であり、尊敬の眼差しを持って迎えられた。しかし、一般的にはプログラマが優秀で「天才プログラマ」であっても冷ややかに受け止められることが多いのではないだろうか。特に日本においてはプログラマは埋もれてしまう。優秀なプロダクトを支えているプログラマが鍵であっても、大人しく安月給で一生を終えることも多いのではないだろうか。

Dropboxはプログラマが企業家精神を持って成功した良い例と言える。