IT開発会社が苦労して、自分たちは責任を負わない酷いクライアントになる方法

2017-07-22
トピック: IT業界

クライアントは「技術のことはよくわからないので任せます」と開発会社に言えば良い。酷いクライアントになれます。
そして、不具合が起きたら開発会社を怒鳴りつけて、「技術はわからないと言っているだろう」と責任転換をすれば良い。
開発会社の説明を理解してしまうと責任が発注元にも発生してしまうので、全責任を開発会社に負わせるために、何を説明されても「技術はわからないと言っているだろう」とキレましょう。それで大人しく対応してくれる開発会社であれば、もうその開発会社はクライアントの奴隷です。後から後から仕様に修正を加えても大人しく対応してくれる筈です。
普通、開発には納品後に無償で障害対応する期間が決められていますが、期間が過ぎていてもとりあえず怒鳴りつけて無償対応を迫りましょう。奴隷であればやってくれるかもしれません。

もちろんこれは皮肉です。

しかし、世の中にはこのような会社が意外に沢山あります。開発会社としては、「技術がわからない」と言ってくるようなクライアントには特に注意が必要です。相当の好条件でない限り、基本的にはお断りした方が良いでしょう。良いクライアントは沢山いらっしゃいます。少なくとも技術の概要、たとえばサーバーに何を使っていてデータベースは何で、プログラミング言語は何なのかなど、自分たちが使うシステムなのですから、担当者であればそのくらい知っていて当然です。この程度の基本的な事項の確認をするだけでキレて技術はわからないと言ってくるクライアントも世の中にはいます。それは上に書きましたように、本当にわからない訳ではなく、責任を全て開発会社に負わせるために理解しない態度を貫いているのです。それが意識的にせよ無意識的にせよ。その姿勢には感服致しますが、そのような会社の関心事はコストにしかなく、理不尽な値下げ圧力およびあいみつで開発費はどんどんと削られるのが目に見えています。クライアントにとっての関心がコストのみだと、継続開発で開発会社を変えることも頻繁に執り行われます。これらだけが原因とは言いませんが、こういったクライアントと付き合うと会社の従業員は疲弊し、会社が破綻に向かいます。開発会社としては、このようなクライアントと付き合ってはいけないのです。

一方、開発会社から避けられるようなクライアントの将来も明るくないでしょう。クライアントの業績が良いときはおべっかを使って近寄ってくる開発会社もあるでしょうが、業績が良いときに大切にしなかった開発会社はクライアントの業績が悪くなった時に助けようとはしないでしょう。自業自得なのです。

それでは、開発会社が協力してくれるようなクライアントのあり方とは何でしょうか? いろいろありますが、基本的姿勢としては、プロジェクトにしっかりと関与をするということです。丸投げにせず、少なくとも概要は自分たちで抑える。システム構成のメリット・デメリットを把握して、可能なことや不可能なことを理解する。そして、コスト分をしっかりと払うこと。問題を全て開発会社の責任にせず、原因が何なのか一緒になって考えること。言ってみれば当たり前のことをこなすだけでいいのです。担当者が発生中の障害やリスクを把握できていれば上々ですがなかなか難しいかもしれません。ここまで関与すると、なかなか開発会社を変えることができない筈なのです。

プロジェクトは、細かく運用しようとすればきりがありません。小規模プロジェクトの場合はそれほど管理に工数をさけませんから、理想とは行きませんがある程度は肌感覚での運用になります。担当者が理解できないことももちろんあるでしょう。それでも、なるべく理解しようとする姿勢および関与しようとする姿勢がお互いの納得および満足に結びつきますし、開発会社との長い関係で肌感覚がわかってきます。

開発について偉そうに言える立場ではありませんが少し書かせて頂きました。特に、若くして希望に満ちあふれたIT起業家がこのような罠に陥らないでほしいと思う次第であります。



補足:
ちなみに、海外からはこのような日系クライアントは避けられていて、受注したとしても後々「金はいらないから開発から手を引く」などという時もありますが、日系の開発会社は往々にして頑張ってしまうからクライアントは「これでいいんだ」と自分たちにお墨付きを与えることになります。本来であれば海外の開発会社がまともであることもあるのですが、日系企業からしたら海外の開発会社は役に立たない、あるいは使えない、という評価になります。実際にその通りである場合も多々ありますし、一方で、この事例のような場合もあると思います。

追記:
最近民法が改正されましたので、尚更このような理解が低いクライアントと付き合ってはいけないのです。瑕疵担保責任を悪用しそうなクライアントとは付き合わない方が良いのです。当初は良いお客様でも、理解できない状況が続けば急にモンスター化します。どちらにせよ、ITへの理解のあるお客様と付き合うのが良いと思います。



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