クンダリーニ症候群、或いは禅病

2017-09-03 記
トピックスピリチュアル

「クンダリーニの覚醒は、ヨギには解脱を与え、愚者には苦悩のくびきを与える」(*1)

クンダリーニ症候群(または禅病)を調べてみました。

症状
・体の中に熱が篭ってしまい、注意散漫になったり日々の生活に支障を生じる
・頭痛、神経過敏、高血圧、不整脈、集中できなくなる
・熱が篭る場所としては下半身、心臓(ハート)、頭など。強烈な熱感或いは圧迫感を伴う。
・手足が冷たくなる
・涙が止まらなくなる
・時に幻覚・妄想・不眠症を伴う
・いわゆる自律神経失調症のような症状
・時には死に至る

症状の原因としては以下
・グランウンディング(地に足をつける)が足りない
・体の中のエネルギーの流れが滞っている。ネガティブな思想がエネルギーの流れを遮っている。

解決法
・エネルギーを体の中で循環させる。
・円天法などと呼ばれている方法で、背骨を伝わってムーラダーラ(Muladhara)チャクラからサハスララ(SAHASRARA)チャクラまでエネルギーを上げた後に、体の前面を通ってエネルギーが下に降り、またムーラダーラチャクラから循環させるようにしてバランスを取ります。エネルギーを体の前から下に下ろす場合はグラウンディングを意識します。

この円天法はシンプルですがとても効果があります。クンダリーニ症候群の人は体の中に熱が篭っている状態なので、上記のようなエネルギー循環をするだけで劇的に回復したり、数週間で回復したりもできるようです。
円天法は一部のヨガでは基本に含まれていますので、クンダリーニ症候群とまでは行かないまでも体の中にエネルギーが滞っている場合など普段からして頂ける方法だと思います。

エネルギーのブロック要因は各チャクラ特有のもののようです
・下半身のムーラダーラ(Muladhara)チャクラ。性的欲求の克服が必要。過去生も含めたカルマの克服が必要。
・下半身のスワディスタナ(Svadishthana)チャクラ。性的欲求の克服が必要。無意識で眠っているカルマの克服が必要。
・ハート(心臓)のアナハタ(Anahata)チャクラ。ネガティブな感情が渦巻いているとここで詰まってしまいますので楽観的になることが重要。
・喉のヴィシュッダ(Visuddha)チャクラ。

このようなクンダリーニの覚醒は本来は師匠について行うべきものですが、時に、準備ができていない人に偶発的に覚醒してしまうことがあり、様々な症状が出てしまうとのことです。特にムーラダーラ(Muladhara)チャクラやスワディスタナ(Svadishthana)チャクラが目覚めるとあらゆる抑圧された感情が爆発的に現れ、いわゆるクンダリーニ症候群になりやすいそうです。このような時は適切な指導者が必要です。

クンダリーニのエネルギーは、広く一般には下半身から頭に向かって上昇するもの、というシンプルな捉え方をされていると思います。しかし、この一般的な理解だけですとエネルギーが頭で詰まってしまうのです。場合によっては頭上にあるサハスララ・チャクラが開いてエネルギーが外に出ることで事なきを得る場合もあるようですが、エネルギーが抜けずに詰まってしまうとクンダリーニ症候群とか禅病などと言われているものになってしまいます。

クンダリーニは背骨を通って上昇します。そこで頭の上に抜けたところから、次は体の前を通って下に回します。この部分がいわゆる「グラウンディング」と呼ばれているもので、地に足をついた生活をしているほどグラウンディングでエネルギーが下に回ります。ふわふわした生活をしているとなかなかエネルギーが下に下がりません。社会生活を投げ出して神秘主義に没頭した場合などもグラウンディングし辛いかもしれません。

円天法は色々とバリエーションがあるようですが、単純に体の前後を回すだけも効果があります。バリエーションによっては、体の後ろと前をそれぞれ通過させた後に再度頭まで背中を伝わって持ち上げ、次は体の内面を通って丹田まで下ろす、というようなやり方もあるようです。

どちらにせよ円天法の基本は背中から上昇して体の前面から下降(グラウンディング)です。たったこれだけでクンダリーニ症候群あるいは禅病の症状が改善されるようです。

文献:
タオ人間医学
密教ヨーガ

■追記
その後、ナーダ音について調べていた時に意外にもクンダリーニついても色々とわかってきました。詳しくはこちらに記しますが、ざっくりと言うと、ヨーガで言うところのナディ(体にあるエネルギーの通り道、経脈)のうち、背骨に沿って存在しているスシュムナが不純物で詰まっているとクンダリーニ症候群になるようです。

円天法そのものがクンダリーニ症候群を防ぐというよりも、円天法のような行法はいわゆる浄化(クリア)に類する物で、クンダリーニを目覚めさせる前に各種のクリアをして浄化をしてからクンダリーニを目覚めさせないととてつもない混乱を引き起こす、ということのようです。詳しくは上記リンク先の最後の方に記してあります。

■追記2
その後、クンダリーニ経験ぽいことが起きました。上リンク先と同じナーダ音に関する記事のページに追記してあります。

■追記3
最近気付いたのですが、意識が頭頂にズレてしまうとクンダリーニ症候群と言いますか意識がぼうっとしてしまう気がします。そんな時は意識を後頭部に動かすというか後頭部まで下ろしてあげると落ち着いていわゆるグラウンディング状態になって意識がはっきりしてクンダリーニ症候群っぽく無くなります。これそのものがクンダリーニ症候群という訳でもなさそうですが、単に小周天をするだけではなくて意識をどこに据えるかで随分と感覚が変わるのだなと思いました。

通常、いわゆるグラウンディング状態では魂というか意識の居所が後頭部にある気がします。前はそんな意識の場所なんて認識しなかったと言いますか、どこにあるのかもよくわからなかったのですが、最近は意識の場所が分かってきて、意識を体のどこかに向けると意識の居所がちょっと動いたりします。

スピリチュアル系のワークで「地球を感じましょう」とかイメージするのともちょっと違っていて、確かに地球をイメージすると意識が多少は下方に下がるのでそれにつられて意識も頭頂から後頭部に下りるかもしれないですけど、地球をイメージするかしないかに関係なく、単に意識の居所を意思の力でグッと頭頂から後頭部まで下ろしてあげるとグラウンディング状態になる気がしました。

これは私の場合であって、他の人も同じようになるかどうかはわかりません。

後頭部の上の方にビンドゥ・チャクラというのがありますけど、そこではなくて、もっと下の、いわゆる松果体のあたりがグラウンディングの位置ですね。更に下のヴィシュッダ・チャクラの近く、マイナーですけどチブーカム・チャクラ(Chibukam Chakra)のあたりまで下げても安定しています。ヴィシュッダ・チャクラまで下げてしまうと下げすぎな感じです。チブーカム・チャクラは「瞑想ヨガ 魂のやすらぎ(ワスデーヴァ・ナイア・アイアンカー著)」に書かれてあるものであまり他では見ないですが著者のアイアンカー家ではこのように伝えられているそうです。チブーカム・チャクラはヴィシュッダ・チャクラと松果体の中間より少し下寄り後方ですね。

■追記4
「ヨーガの極意(小山一夫著)」には、クンダリーニ 症候群あるいは禅病への対策としてリードピータ師の書籍を引用して「瞑想を終わる時には、クンダリーニ をムーラダーラへと戻す」と書いてあります。原文の「チャクラ(C.W.リードビーター 著)」を確認してみますと、以下のようにありました。

クンダリーニ は、ヨギが瞑想のために意思を集中するに連れて、少しずつ、チトリニ気道を昇ってゆく。一度くらいでは大して昇らないが、次にはもう少し昇るから、これを何度もくり返す。(中略)瞑想を終わるときには、同じ道を通ってクンダリーニ をムーラダーラ(根のチャクラ)へと戻す。ただしある場合には、心臓のチャクラまで戻す。「チャクラ(C.W.リードビーター 著)」チトリニ気道とはスシュムナ(主要ナディ)の中にある気道のこと。

私の場合、ムーラダーラに戻すよりも後頭部の方が落ち着きます。というか、ムーラダーラまで戻すと逆にバランス崩すような予感がするので後頭部に戻すようにしています。



(*1) ハタ・ヨガ・プラディーピカ(Hatha Yoga Pradipika)3章107番より。訳は「チャクラ」(C.W.リードビーター著)による