■ハイヤーセルフの一般的な解釈
時代によって意味するところが変化しています。
・1990年代のニューエージブームにおける意味:「本当の自分」と言う自我
・現代主流で使われている意味:魂
このことを理解するには、1990年代の時代背景を理解する必要があります。
当時は物質社会に生きる人々の多くが行き詰まりを感じており、その行き詰まり感からニューエイジブームが生まれました。そこでは、本来は統一感のある唯一の自我である自分自身が「物質社会に邁進する自分」と「それではいけないと感じて真実の生き方を求めている自分」に分離されていました。その分離が社会現象として起こっていましたので、共通認識として存在したわけです。ですから、ハイヤーセルフと言えば後者の「真実を求めている自分」と言う自我のことを指していました。そして、ハイヤーセルフが魂との橋渡しをしていたのです。
以下のような構図です。
物質的な自我(メイン) <-分離-> 真実を求める自我(ハイヤーセルフ, まだ覚醒されていない意識) <-> 魂
当時は、物質的な自我が魂に近づくためにハイヤーセルフと言う概念を必要としていました。
しかし、この分離が解消されてバランスの整った状態になると、ハイヤーセルフと言う概念は消滅します。本来、どちらも自我だからです。
自我の分離が解消されると、単に自我と魂との繋がりになります。 このとき、ハイヤーセルフと言う言葉は行き場を失い「魂」を指すように意味が変化します。
自我 <-> 魂(ハイヤーセルフ?)
ハイヤーセルフの元々の意味は消滅しつつあるものの、慣習でハイヤーセルフと呼ぶようなことは続いています。昔と同様に「真実に近い認識を持つ自我」を指す時もあるのですが、それよりも、直接的に「魂」をハイヤーセルフと表現している場合が最近は増えているような気がします。ですので、最近書いた文章ではコンテキストによってどちらを意味しているのか認識する必要があります。
ハイヤーセルフとのチャネリングの多くは魂に「直接」繋がったものではなく、「物質的欲求など常識の枠を取り去った時に自分の自我が真実に基づいてどのように考えるか」と言う自我とのコミュニケーションであることが多かったように思います。
そうしてゆくうちに自我の分離が解消され、自我が透明な心を取り戻した場合には「魂に繋がる」と言う意味におけるハイヤーセルフとのチャネリングに移行してゆくこともあるのですが、それは元の意味とは異なってきます。ハイヤーセルフと言うのは元々「自我の分離」を前提とした概念が基本にあったのです。
■ハワイの先住民族によるハイヤーセルフの解釈
書籍「フラワー・オブ・ライフ」によると、ハワイの先住民族の解釈では「3つ」の層があります。
・ハイヤーセルフ(高次自己)
・ミドルセルフ(中位自己)
・ロウアーセルフ(低次自己)
これは、一般的な「自己とハイヤーセルフ」という2層解釈とは異なっています。
2次元性の意識がミドルセルフ。
ロウアーセルフは地球。端的に言うとロウアーセルフとは「無意識」。無意識は地球上全ての人と繋がっている。ユングの言う集合無意識。
ハイヤーセルフは「すべてのもの」。
同書によると、ロウアーセルフに繋がってからでないとハイヤーセルフと繋がることはできないとのことです。
ハワイ先住民によると、地球は2〜6歳くらいの子供であり、ロウアーセルフと繋がるためには無邪気に子供になって遊ぶ必要があるとのことです。スピリチュアリストがグラウンディングを重要視したりインナーチャイルドを「癒す」と言う言葉で表現しているのは、実はこのことのようです。「癒す」と言うと個人の心に傷があるかのような誤解をするかもしれませんが、傷があろうがなかろうが地球と繋がるためには無邪気になって遊ぶ必要がある。そのことをインナーチャイルドとか表現しているようですが、本質はインナーチャイルドではなくて地球と繋がるというところにあるようです。
そして、地球であるロウアーセルフと完全に繋がった時、地球が貴方にハイヤーセルフと引き合わせてくれるとのことです。