乳海攪拌 - ヒンドゥー教 天地創造神話のヨーガ的解釈(メモ)

2018-01-25
トピック:スピリチュアル: ヨーガ

乳海攪拌(にゅうかいかくはん, Samudra Manthan) - 天地創造神話

Durvasaという聖者がいました。
ある時、象に乗ったインドラ神が通りかかり、 Durvasaは花を摘んでインドラ神に花輪を作って捧げました。
インドラ神は一旦受け取った後、象の頭にかけました。その理由は、自分にはエゴがないことを示すためだったのですが、象はそれを拒否して花輪を下に落としました。象は、インドの神話では「真実」を意味するシンボルです。象は、インドラ神がその奥底にはエゴがあることを見抜いていました。だから花輪を下に落としたのです。
それを見たDurvasaは侮辱されたと思ってインドラ神を呪いました。 Durvasaは非常に力のある聖者でしたので、全ての神々が同様に呪われてしまいました。
その呪いにより、神は3つの世界の制御(支配)ができなくなってしまいました。その3つとは、天国・地上・それを取り囲む環境です。
神様が世界を制御できなくなったので、代わりに悪魔が支配するようになりました。
神様はヴィシュヌ神にどうしたら良いのか尋ねました。ヴィシュヌ神は、次のように答えました。制御を取り戻すためには、神と悪魔が協力して海をかき混ぜなければならない。そうすれば、 Dhanvantari神がその手にエリクサーを持って現れるでしょう。そのエリクサーを一滴飲めば悪魔を退治して3つの世界を制御することができるようになるでしょう。
神様はそれを実行に移しました。悪魔もすんなりとそれに協力しました。悪魔もエリクサーを狙っていたからです。神と悪魔は山の周囲を巨大な蛇(サーペント, Serpent)でぐるりと囲み、頭を悪魔が持ち、尻尾を神様が持って、山を海に逆に入れて、蛇を引っ張り合いながら海をかき混ぜました。
山は海の底にぶつかり、スクリューのように地球を削り始めました。
彼らは助けが必要になり、ヴィシュヌ神に助けを求めました。ヴィシュヌ神は亀の形に姿を変えて海に潜り、山を背中に乗せました。
その後、再度神と悪魔は巨大な蛇の両方を持って海をかき混ぜました。まるでチーズが牛乳から作られるように、海をかき混ぜたことにより、海は様々な物質に変わりました。
最初に出てきたのは毒です。その毒は3つの世界を全て破壊する脅威になりました。そこで、シバ神がその毒を手にとって、吸い込みました。神と悪魔がかき混ぜると他にも色々なものが出てきたのですが、最後に出てきたのがエリクサーを手に持ったDhanvantari神でした。
神も悪魔も、そのエリクサーを欲しがりました。

神はエリクサーを見て、「エリクサーを手に入れられる」と思いました。
悪魔はエリクサーを見た瞬間にエリクサーに飛びつきました。思うより早く体が行動したのです。そして、エリクサーを持ち去りました。しかしその後、悪魔は誰がエリクサーを独り占めするかを巡って争い始め、誰もエリクサーを飲むことができません。
神々は再度ヴィシュヌ神にどうにかして欲しいと頼みました。するとヴィシュヌ神はとても美しい女性に変身(転生輪廻)して悪魔の前に姿を現しました。そのエリクサーが欲しいと誘惑しました。そうすれば、全員に1滴づつ与えましょう、と提案しました。悪魔はそれに同意し、エリクサーを美女に手渡しました。
美女の案内に従って神と悪魔が並び、まず神に対して1滴づつ与えました。その後、悪魔にエリクサーを与えようとするその前に、その女性は姿を消しました。悪魔は騙されたと気づきました。とある悪魔はそれに気づいてエリクサーに手を伸ばし、するとエリクサーが2滴だけ落ちました。(この部分に関しては様々なバージョンがあるようです)

この物語の意味

この物語のDurvasaは貴方です。我々は、神の仕打ちに対して怒ります。そして、時に神を呪います。呪うと、神は3つの世界の制御を失います。
その3つとは、体・心(マインド)・意識です。
神が制御を失うと、悪魔がそれらを制御するようになります。

悪魔は貴方のエゴ。
神は貴方のハイヤーセルフ、賢い貴方自身です。貴方の魂。永遠の自分。
「体・心(マインド)・意識」の3つは悪魔(エゴ)あるいは神(ハイヤーセルフ、プルシャ、魂)の影響下にあります。
我々の内に住む神の意識は調和に生きる道に導きます。
悪魔の意識は調和を失った生き方に導きます。
神を呪うと、悪魔が自身の行動を決定するようになります。
このため、我々は身体的にも精神的にも磨耗します。
制御を取り戻すためには、我々は海をかき混ぜなくてはならない。海とは意識。意識をかき混ぜると、最初に出てくるのは毒です。ネガティブ、痛み、怒りなど。
自身の意識をかき混ぜ続けると、最後に出てくるのがエリクサーを持ったDhanvantari。それは各人の内にある癒しの主。
エリクサーが現れた後、最初にエリクサーを手にするのは悪魔。悪魔はそのエリクサーを自身のために使用するでしょう。やがて、悪魔の前に魅力的な神が現れます。悪魔は永遠の幸せを約束されたかのように思います。エゴは騙されます。
そして、エゴが調和を取るようになります。
貴方は永遠の調和にくつろぐようになります。調和のためにはエゴが消えさらなくてはなりません。
最終的に、貴方は全ての存在との一体感を感じることでしょう。
我々は光に包まれた存在であることを知ります。

これが、ヨガとアユールベーダで伝えているものです。
この物語は貴方自身の物語であり、我々は皆、この旅路の途中にいます。

<内容は先日のマーク・ハルペン博士(カリフォルニア・アユールヴェーダ・カレッジ創始者)によるアユールベーダセミナーに基づきます>