ホーリー・マザー(サーラダー・デーヴィー )が言及しているように、ナーダ音とクンダリーニとは関係があります。
それを理解するためにはいくつか前提の知識が必要です。
■スシュムナと浄化の関係
スシュムナは普通の人の場合、不純物が詰まっていて働いていません。
浄化をする事でスシュムナが開き、そこにプラーナ(生命エネルギー)が流れ込みます。
これは、特に「ハタ・ヨガ・プラディーピカ(Hatha Yoga Pradipika、Swami Vishnu-Devananda著)」で多く述べられています。
(2章4番)ナディが不純物でいっぱいになると、プラーナが中央のナディ(スシュムナ・ナディ)に入ることはありません。
■スシュムナの浄化とナーダ音
スシュムナの浄化がされるとナーダ音が聞こえます。
「ハタ・ヨガ・プラディーピカ(Hatha Yoga Pradipika、Swami Vishnu-Devananda著)」には以下のような記述があります。
(2章72番の解説) プラナがスシュムナに入ると、あなたは内面の音を聞くことができ、平和な状態を感じることができます。
内面の音とはもちろんナーダ音です。
■スシュムナの浄化をしてからクンダリーニの覚醒
上記のように古典では(主要ナディである)スシュムナの浄化をまずしてからクンダリーニの覚醒と言う順番になっています。
そのスシュムナの浄化が達成されつつある「しるし」がナーダ音であるわけです。
ナーダ音が必ずしも誰しもが聞くものではないとはいえ、聞こえる人であるならばナーダ音が「しるし」として使えるわけです。
であれば、スシュムナが浄化されていない状況、すなわち、スシュムナが不純物で詰まっている状態でクンダリーニを覚醒させるととてつもなく危険である事が理解できます。