プレアデス宇宙船でミッションを幾つかこなしていくうちに、とある卵形の体に手足がちょこんとついたような可愛い宇宙人の精神的成長を助けるミッションが立ち上がりました。そして、誰かが転生して惑星の精神的な成長を助けよう、ということになり、私が良いだろう、ということになりました。
実のところ、その惑星の住民は姿こそ可愛いものの独占欲が強く傲慢で、精神的にはとても低い段階にあったと言えます。
そういう惑星に転生して、草の根で精神的な成長を僅かであっても促進させよう、というミッションだったように思います。
転生とは言っても、地球の転生のように寿命が終えるのを待つということはしなくて、宇宙船にはこういうミッションのための「体を消滅させる装置」があって、粗大な体の部分だけ文字通り無に戻してしまいます。その前に、あらかじめ体をスキャンして、ミッションが終わった後に復元できるようにしておくのですけど、一旦は、肉体はなくなるわけです。
ですから、出発の日、準備を終えた私はその装置に入って、肉体を消滅させ、霊魂だけになり、もちろんプレアデスのメンバーはテレパシーや視覚で霊魂の存在を感じ取れますから宇宙船のメンバーに行ってくることを伝えた後に、目的の惑星へと行き、あらかじめ決めておいた母体の受精卵に入ってその惑星の住民として生まれたわけです。
そもそも体の形が違いますから最初は慣れなくて、自分の体を見て、「なんだこの体は・・・」と、ちょっと微妙な感じになっていたように思います。
任務とはいえ、周囲にいるのはがめつくて嫉妬が強くて無礼な人たちばかりで、精神性ということを理解できないような人たちばかりでした。
そして、その世界で結婚もしたのですけど、その惑星にも男女の性があって、私は男性で、パートナーは女性だったわけですけど、そのパートナーは私にとても満足していたのかなと思いますけど、私はそのパートナーの我の強さに疲れていて、特に表には出しませんでしたけど、「ちょっと、重すぎる・・・」と思っていました。ずっしりと重い感じ、わかって頂けるでしょうか。
そして、ぼちぼちその地域のコミュニティには多少の精神性の改善が見られたところで寿命を迎えてミッション完了となったわけですが、私は宇宙船に戻るわけですけど、そのパートナーも死後に私についてこようとしたわけです。きちんと覚えていませんが、ついてこようとしたということはパートナーの方が先に死んだのかもしれません。
ですが、その惑星と宇宙船とはかなり離れていて、私は最初、普通に自分で帰ろうとしたらパートナーがついてくるので、仕方なく・・・ というと語弊がありますけど、私はというとほんとそのパートナーに疲れておりましたので、置いていくのも忍びない・・・ ということで、地球まで着いて来させました。ですけど、宇宙船には入れずに、地球に行ってもらいました。今思えば、なんでそんな中途半端なことをしたのかな・・・ と思うのですが。
宇宙船に戻った後、管理者の女性の部屋に霊体で入って「帰ってきたよ」と伝えた後、元の体か、あるいは、別の体(いくつも選べます)に入るか聞かれたのですけど、元の体を選びました。そして、また同じような機械に入って記録を元に肉体の体を復元し、そこに霊魂が宿ることで復活したわけです。
宇宙船に戻ってからは、管理者の女性からは「あの嫁さん、宇宙船に連れてくれば良いじゃない」と言われたのですけど私は明確な返事をしませんでした。と言いますのも、私はもうあのパートナーの「重さ」に疲れていましたので、ちょっと勘弁・・・ という感じだったのですけど、それをきちんと言うのもなんだか野暮な感じなので黙っていたのでした。そうしたら、管理者の女性からは「よくわからない人ですね・・・」みたいに思われてしまった気がします。