ルシファー、地球へ - マリア姫とルシファー、天使界の物語 (8/9)

2024-11-09公開 (2024-10-20 記)
トピック:スピリチュアル: 天使

そうして、人間の月日で言うと何十億年、何百億年もの遥か昔、とは言いましても次元を異にしておりますからそこまで昔でもないとも言えるそのような過去において、天使界からルシファーが銀河を超えて地球にやってきたのです。おそらくは天使たちはアンドロメダ銀河から地球へとやって来たように思います。実際のところ天使は5次元以上の存在ですので人間的な時間の感覚は薄いので、月日で言うと近代とも言えますし遥か昔とも言えます。それは天使にとって重要ではありません。遥か昔に、このようにしてルシファーがこの地球へとやってきました。

もともとルシファーについていた天使たちはルシファーの元に集いました。地球に天使たちが続々と集結することになります。

天使界は随分と寂しくなりましたが、それでも大勢の天使たちが天使界で暮らしていました。辛い気持ちを隠したいという心の動きもあったのか、天使界ではやがて一旦はルシファーのことは忘れられ、伝説になって行きます。とは言いましても、天使は長齢ですからゼウスもずっと健在でした。

しばらく後、天使界に再度、争いの火種ができました。

今度は、別の王がゼウスに対立したのです。やがて争いになるのは時間の問題でした。

地球の面倒を見て楽しんでいたルシファーは千里眼でそれを察知しました。
そこで、天使界のゼウスに使いを送ることにしました。次のような内容です。
「ゼウスよ。別の王との間で問題があるようだな。私が問題を解決しよう。それで仲直りとはいかないだろうか」

伝言者がゼウスに伝え、ゼウスが同意しました。
そうして、ゼウスとルシファーの謁見が実現したのです。

ルシファーが王宮の謁見の間に現れ、ゼウスに提案します。
「私が敵の王をここに連れてこよう。それで仲直りと行こうではないか」

ゼウスは合意します。

ルシファーは歩いて謁見の間から出て、扉を閉めたらすぐにテレポーテーションして敵の陣地に赴きました。
敵の謁見の間の王の前に片膝をついて跪き、謁見の仕草をしました。
敵の王はルシファーの突然の出現に驚き、いつの間に来たのか気付かなかったので「なんだ、お前は」と苛ついて無礼な口調で問いただしました。

ルシファーは顔を伏せたまま、「〇〇王でいらっしゃいますか?」と聞き、敵の王から礼儀に欠いた口調で「そうだ」と回答があるやいなや、「私はルシファーと申します。私とゼウスの元にご同行頂けますでしょうか」と言うとすぐに駆け寄り、敵の王は驚いて抵抗を試みるも一瞬で駆け寄られ、ルシファーは敵の王と共にゼウスの元にテレポーテーションしたのでした。

ルシファーとの謁見が終わったばかりの王宮の謁見室では、ゼウスと諸侯がたむろして噂話をしておりました。これからどうなるのだろうか、と。そんなところにルシファーと敵の王が突如として現れたのです。噂話が終わらぬうちにゼウスの前に敵の王がルシファーと共に差し出されたのですから、ゼウスおよび諸侯の驚きは想像以上で声が出ないほどでした。

そんな思考停止の驚きの時間の後、我に返った警備兵が敵の王に気付き、敵の王を捉えようとしました。しかし、ルシファーがそれを静止し、敵の王に問いただしました。「再度尋ねる。貴方は〇〇王でいらっしゃいますでしょうか?」その王は状況をつかめないながらも「いかにも。私は〇〇王だ」と答えました。そこでルシファーはゼウスの方を向き、「どうでしょう。〇〇王をここにお連れいたしました。これで仲直りということでよろしいかな?」と聞き、ゼウスの「うむ」という気迫のない返事で仲直りしたのでした。

ルシファーは「いや、これはめでたい。ありがとうございます。」そうお礼を言い、一旦そのまま立ち去ろうとしましたが、その横でゼウスの衛兵が〇〇王を捕らえようとしたのを見て、それを制止した上で、次のように提案しました。

「どうかの? これは私からのお願いなのだが・・・。今回はお互いに誤解などあったのだろう。何も武力を使う必要はないではないか。話し合いで解決したら如何だろうか?」と訪ねたのです。その提案に対し、この理解しがたい状況に呆気に取られていたゼウスと敵の王は「わかった」と同意したのでした。

皆が状況を理解できずに呆気に取られている間、ルシファーは「よかったよかった。これで平和が訪れる」と大声で言って満足げに笑顔で謁見の間から離れるために再度歩き出したのですが、ふと、横にある遠くの柱の近くにマリア姫と恋人のミカエルがいるのに気が付き、遠くから大声で話しかけます。

「おお。ミカエル殿ではないか。心配したぞ。ちゃんと復活できたのだな。手加減してコアを吹き飛ばさずにおいたが、きちんと復活できるか心配しておったぞ。ワハハハハ・・・」

すると、ミカエルは自信を失うかのように、俯いて、何も答えなかったのです。マリア姫はそんなミカエルを見て動揺しました。

ルシファーはそれを見届けたら、「では、さらばだ!」と叫んでテレポーテーションして去りました。そして、その後はずっとルシファーは地球の面倒を見ていたのです。

(続きます)