[風のルンの竜巻の経験から8日後]
■グランティ(半歩、壁、結節)は調整弁
瞑想中、グランティは調整弁であると言うイメージが降りてきました。瞑想中のお話なのでこれまた根拠はなくておいおい聖典で確認していきたいですが、そのインスピレーションによると、それは調整弁であるから基本的な機能はオーラをその範囲に留めておくことで、上(アナハタ〜アジナ)のオーラはその中で混じり合い、下(ムーラダーラ〜マニプラ)のオーラはその中で交じり合うのが基本のようです。その上で、上(アナハタなど)で発生した低い波動のオーラは自動的にヴィシュヌ・グランティ(アナハタとマニプラの間)を通って下(ムーラダーラ〜マニプラ)に抜けるし、逆に、下で発生した軽いエネルギーはヴィシュヌ・グランティを通って上に行く。このことで、それぞれの場所に適したオーラを保ちつつも調整弁がフィルターの役割を果たしてそれぞれのエリアに適したオーラの純度が高まってゆくのだと思います。ですから、この調整弁がないとオーラが上下で混ざってしまってそれぞれに適した波動を「練る」あるいは「保つ」のが難しくなるのかな、と言うのが瞑想で得た理解です。
ハタヨガではグランティ(結節)を「破壊」あるいは「解く」するのが基本となっていますし、西洋ではキリスト教の神秘主義の流派やいわゆる魔法と呼ばれているものを扱う秘術の流派は同様にこのグランティを「破壊」するのを基本としていますが、それは時に「アナハタ・ショック」とも言われる衝撃を胸に与えることになります。その結果、場合によってはオーラが混ざってしまうので荒いオーラが下(ムーラダーラ〜マニプラ)から上(アナハタ〜アジナ)にそのまま登ってしまえば意識がおかしくなるのも当然かなと言う気が致します。逆に、上(アナハタ〜アジナ)のオーラが下(ムーラダーラ〜マニプラ)に下がってしまえば本来は高度な神秘のエネルギーが程度の低い欲求やカルマと結びついて一見奇跡的ではあるけれども高度な理解や精神性に基づいていない神秘を作り出し、最終的には心身共に疲れ果てて自分も周囲にも破壊的な結果をもたらすであろうことが理解できます。
最近のスピリチュアルではこの種のグランティの破壊あるいは解くことはあまり重要視されていないと言いますか、ほとんど言及がないような気が致します。これは、グランティは本来「破壊」「解く」ものではなくそのまま利用するものではないか、と言うのが今回の瞑想における理解です。その理解は、私の今回の竜巻の経験の後の状態を観察したことによる考察も含んでいます。
それとは別に、ヨガで言うところのナディ(エネルギーのルート)が詰まっているのならば詰まりを取らなければいけない、と言うのは似ているようでいてちょっと違うお話かなと思います。確かに、調整弁でありますから構造が複雑でそこは詰まりやすいのではありますが、構造が複雑であるからこそ慎重に掃除やメンテナンスをしなければならないのであって、調整弁が錆び付いていて固まっているからと言って調整弁を丸ごと壊して通過してしまうのは乱暴なのかなと思います。
まあ、こんな解釈はどこにも見たことがありませんので、私はここにメモ的に書くだけで、わざわざ他所で言ったりしませんけどね。
■ハタヨガではグランティを破壊するのに「バストリカ」呼吸法を使う
ハタ・ヨガ・プラディーピカには、「グランティを破壊するにはバストリカしかない」と記載されています。バストリカは危険な呼吸法と言われており、流派によっては「経験豊富なグルが監視している時以外は、一人でバストリカを行なってはいけない」とされていたりします。これも、上記のことを考えれば当然なのかなと思います。本来は機能すべき調整弁を壊して神秘的な成長(?)のために活用するのですから、普通ではないことをするのであればその行法に精通したグルがいないとおかしくなるのも当然かなと思います。
■胸のエネルギーの高まり
竜巻の8日後(2019年7月13日)、横になって休んでいたらムーラダーラの会陰がピリビリし初めて、何か電気の塊が下から入ってきたかと思えばゆっくり背筋を通って胸まで上がりました。上がる途中、細い管を無理やり広げながら通っている感じで、ちょっと圧迫感がありました。アナハタあたりで止まりましたが、その後、胸や上腕および頭の下半分がとてもポカポカするようになりました。何でしょう、これ。以前は似たようなポカポカが下腹部あたりでずっとありましたが、今は似たようなポカポカが胸であります。熱と言うほどではなりませんが、竜巻の経験の後の「暖」よりはちょっとだけ「熱」に近い感じです。第2回クンダリーニの後の熱と竜巻の後の「暖」を足して2で割ったくらいの中間的なポカポカでしょうか。
■喉のガラガラ感が薄れました
竜巻の前も、事あるごとに喉がガラガラする詰まったような感覚が度々あって、恐らくは私はヴィシュッダが弱いのだとは思いますが、特に竜巻の後はずっとガラガラする詰まったような感覚が続いていたのですが、竜巻の8日後(2019年7月13日)の瞑想中に喉の感覚が変わって、喉が弾力のある肌に変わって乾燥っぽいガラガラ感が減って随分と楽になりました。これでヴィシュッダが優勢になったわけでもなさそうですが今まで弱かったのが多少ながら普通にまで回復してきた感じです。
■クンダリーニを「上げる」時間軸とその範囲
ハタ・ヨガ・プラディーピカなどヨーガの聖典ではクンダリーニを「上げる」ことを重視していますが、その時間軸と上げる範囲が流派によって異なる気がしてきました。要点は以下でしょうか。
・グランティを破壊するのか、残して活用するのか
・クンダリーニを上げる時間軸はどのくらいか
・クンダリーニを上げる幅は、どこからどこまでか
ハタヨガ系は「グランティは破壊する」「クンダリーニを上げる時間軸は数十分〜数時間」「クンダリーニを上げる幅は、ムーラダーラから上げられるところまで。アジナやサハスララを目指してサハスララから上にクンダリーニを逃す」と言う感じでしょうか。古典的なキリスト教神秘主義の流派や魔法などの流派もヨーガを学んでいますので実際はこの辺りは割と似通っている気がいたします。一方、一部のスピリチュアル系(神智学系も?)は「グランティは破壊しない」「クンダリーニを上げる時間軸は数ヶ月〜数年」「クンダリーニがムーラダーラ〜マニプラにある段階と、アナハタ以上にある段階に分ける」と言うように特徴が違う気が致します。これは、流派によってかなりバリエーションがあると思いますので必ずしもこの通りとは限りませんが、大体の方向性はこんな感じかなと思っております。
■流儀と情緒不安定
ハタヨガ系のヨーギは、素晴らしい方もいらっしゃいますが怒りの沸点が低い方も散見されます。これを上記のグランティの視点から考えますと、グランティを破壊してしまうと情緒を司るマニプラと高度な意識であるアナハタとが混ざってしまって情緒不安定になるのも当然かなと言う気が致します。グランティが破壊されていますとムーラダーラの低いエネルギーがアジナの方にまで流れてしまいますので、意識が成長していない状態でもムーラダーラのエネルギーがアジナまで流れるのでそれでもアジナの力は出せるのかもしれませんが、エネルギー的にムーラダーラとアジナとは調和しませんのでムーラダーラのエネルギーでアジナを使うとおかしくなるのも当然かなと言う気が致します。同様に、アジナやアナハタの高いエネルギーがマニプラに流れ込んで霊的な能力であるとか呪術などに応用して一見すると奇跡のようなことを起こせるかもしれませんが、その結果はやはり情緒不安定なのかなと思います。
であれば、グランティは破壊せずに、呪術や魔術なども求めずに、清正と基本に忠実にそれぞれの段階に応じた精神修行をしてゆくのが一番いいのかなと思います。
■「ムーラダーラとアジナは直結している」の謎は解けた?
有名なスワミ・サッチャナンダの説明が「密教ヨーガ(本山博著)」に掲載されていますが、それによると「ムーラダーラはアジナと直結している」と言います。これは、主要ナディであるスシュムナ・イダ・ピンガラが直結しているからと説明がありますが、そうであれば他のチャクラも直結しているので、なぜムーラダーラとアジナだけが特別なのかと疑問であり、この説明には納得がいきませんでした。実際、第2回クンダリーニが起こってムーラダーラが活性化してもアジナが活性化したように私は思えませんでした。スワミ・サッチャナンダの説明に基づけば、アジナ・チャクラを目覚ますためにムーラダーラをまず目覚めさせると言います。今思うのは、これはバストリカ等でグランティを破壊しているヨーギにのみ適用可能な方法なのかなと想像しております。確証はありませんけど。グランティが破壊されていればムーラダーラのエネルギーがアジナまでおそらくそのまま通じますのでムーラダーラを目覚めさせることがアジナの目覚めの行法にそのまま通じるのだと想像できます。であれば、グランティを破壊していなければいくらムーラダーラを活性化してもアジナの目覚めには繋がらないのも納得です。
実際、いまアナハタが活性化した状態にあってはエネルギーはムーラダーラ優勢ではなくアナハタ優勢ですので、アナハタとアジナは近いので、わざわざムーラダーラを活性化させる必要があるようには思えません。まあ、私はアジナはまだ動き出していないので今のところは仮定でしかないのですが。
■クンダリーニの居処
基本的にはクンダリーニの居所は背骨の一番下、尾骶骨のあたりに眠っていますが、どうやらクンダリーニが目覚めた後は居所それ自体が移動することもあるようです。このあたりは秘技のようなので書物では詳しくは述べられていませんが、「チャクラ」(C.W.リードビーター著)の以下の記述からこの辺りが読み取れます。
瞑想を終わるときには、クンダリニーをムーラダーラへと戻す。ただし、ある場合には、心臓のチャクラに戻す。そこで、クンダリニーの部屋とよばれる場所に入れるのである。クンダリーニは臍のチャクラにあると記した文献もあるが、ふつうの人では、クンダリニーはここには見られない。これは、既にクンダリニーを目覚めさせた人たちのことを言っているのであって、このチャクラの中に「蛇の火」のエネルギーが貯えられていることを言っているのであろう。
これ以上の説明はありませんが、これだけでもかなりの情報が読み取れます。
・普通(クンダリーニをまだ目覚めさせていない人の場合)はクンダリーニは尾骶骨に眠っている
・クンダリーニを目覚めさせた後は、クンダリーニは次第に尾骶骨からマニプラに向かって移動して、そこを居所とする(と私は解釈する)
・クンダリーニの居所は更に上昇し、(ヴィシュヌ・グランティを超えた後は)アナハタ・チャクラ(ハート・チャクラ)に移動してそこを居所とする(と私は解釈する)
ここで言う「そこを居所とする」とは、瞑想中やヨーガ行法中だけでなく普段の生活においても24時間常にそこにエネルギーが居続けると言う意味です。クンダリーニのエネルギーが行法中は意識で移動することがあるとしても、基本は上記の場所にエネルギーが居続けると言う意味です。ただし、これは恐らくは流派によっても違うのかなと思います。グランティを破壊してしまった場合はこうはならずに常にムーラダーラやマニプラあたりに居留まる気もしますが、私はグランティ「破壊」は体験していないのでただの仮定です。
■グランティは「破壊」? 結束を「解く」?
私はヨガをしていますのでこれからバストリカとかも練習する機会がある気がしますが、ここまで理解してしまったならば、バストリカ等で今更グランティを「破壊」しようとは私は思わないです。一応、課題が与えられたら練習するとは思いますが・・・。
昔は聖典を読んでグランティ破壊(結束を解く)ことを「へえ」と思っていたのですが、これまた聖典の難しいところで、もしかしたら原典の意味は文字通り「結束を解く」ことなのかもしれないですね。それを、後の人が間違って解釈して「破壊」だと解釈してしまった。そうとも想像できますけど、昔のことですので想像でしかありません。
もしかしたら、間違って破壊してしまわないようにグルが監視するのかもしれません。流派次第なのかもしれませんが。