ヨガと言うとスポーツの一貫のようなイメージがありますが、実際にはアサナはスポーツや体操というよりも姿勢・ポーズのことです。スポーツにせよ体操にせよポーズにせよ、ヨガには体を動かすというイメージが一貫してあるわけですが、実際のところ、ヨガのアサナ(ポーズ)は瞑想のための準備です。
有名どころではパタンジャリのヨーガ・スートラなどで階梯が述べられていますが、ヤマ・ニヤマという道徳的なところから始まって次にアサナ(ポーズ)、そしていくつかあって瞑想に至ります。
ですから、アサナは階梯においては瞑想とは別物のような書き方になっていますが、実際のところ、それは繋がっているわけです。体は心の状態と密接に繋がっていますから、アサナで体の状態を整えるのは重要です。
ヨガと言っても色々な流派がありますが、ハタヨガやアシュタンガヨガおよびホットヨガは運動やパワーを重視して、シバナンダヨガは運動量は少なくて瞑想を重視していると思います。ヨガはどれであってもその目的は瞑想状態に至ることですのでどれでもいいと言えばそれはそうなのですが、そうは言いましても内容によって向き不向きがあるわけです。
そこに通う人たちの資質も違っており、ハタヨガやアシュタンガに通う人はパワー重視やアサナの難易度を重視するマインドを持っており、シバナンダヨガはアサナは体の健康を維持するラジオ体操のような位置づけで瞑想を重視しているように思います。
ハタヨガやホットヨガに通う人は毎回違うポーズやシーケンスをして体の柔軟性を高めるわけですが、シバナンダヨガは毎回同じポーズとシーケンスを行います。
その、毎回同じポーズとシーケンスを行うというのが瞑想には一番良いわけです。
心(マインド)は新しいもの好きですからハタヨガやホットヨガで新しいことを学ぶことが楽しかったりしますが、瞑想のためにはむしろそのような新しいものというのは邪魔になるのです。日々、新しいヨガのスタイルが開発されていますが、それは心(マインド)を散らすためのものでもあるわけです。
毎回同じポーズとシーケンスを行うことで日々の違いを細かく感じ取ることができますし、同じポーズとは言ってもバリエーションを行うことで多様の難易度に対応することができます。
たまには違うポーズもやってみるのも良いとは思いますが、基本として毎回同じポーズとシーケンスを行うことが瞑想に役立つわけです。
そしてシバナンダではポーズ間にシャバアサナを行いますが、これも瞑想に役立ちます。
ヨガと言っても色々ありますし、シバナンダは割と地味で人気が出にくい印象もありますけど、瞑想には向いていると思います。
なまじサイキックな人がいない点もいいですね。精神修行をしているところでは中途半端なサイキックな人がいたりしてめんどくさかったりしますけど、ここはそのようなところがないのも良いです。
窓口が広く開いていて、宗教のように入信しなくても良いところもライトで良い感じです。
日本だと、シバナンダのヨガスタジオが開いてもアサナ(ポーズ)自体は割と簡単なので生徒さんがすぐできるようになって、飽きて生徒さんが辞めてしまうことが多いという噂を聞きます。ですから日本でシバナンダのヨガスタジオは長続きしないのですが、それはヨガが体操だと思っているからで、実際は瞑想ということが広まればシバナンダが見直されるのではないでしょうか。
そうなると先生側にも高いレベルが要求されるのでスタジオ側もなかなか大変なところもあるかもしれないですけどね。