クンダリーニとは自然に動き出すものですから、秘術を用いて無理に動かそうとしない方が良いと思います。そうして無理に動かすからクンダリーニ症候群になったりもするわけです。
私も以前はクンダリーニのことが謎で色々と調べもしましたし、簡単なものは少し試したりもしました。しかし、あまり深入りしないでいて良かったと思っております。
ヨガにしても私がやっているのはごくごく初歩の呼吸法(プラナヤーマ)と簡単なアサナ(体操)くらいですし、いわゆる上級の呼吸法(プラナヤーマ)はあまり興味がありませんし、そもそも私は鼻の通りが悪い上に最近はクンバカが苦手ですので上級なんてとても無理です。クンバカの持続時間には計算式があって、特にクンダリーニ覚醒後はエネルギーが高まりましたので「器」が足りなくなってクンバカがすぐに苦しくなってしまいます。30秒持てば良い方です。クンダリーニ覚醒前は1分数十秒はいけたと思います。もともとクンバカ苦手でしたけど、クンダリーニ覚醒後は全然長く保てません。
私がやっていることはせいぜいそんな簡単なプラナヤーマ(呼吸法)とアサナ(体操)くらいです。ですから、秘術というほどでもありませんが、それでも十分だと言えます。
それは、そもそもクンダリーニの覚醒には秘術は必要ない、ということが理解できたからです。
クンダリーニの覚醒方法には2種類あると思います。
・秘術を用いる。ヨーガや魔術などスピリチュアルな手法。
・浄化する
前者の手法は、浄化せずともクンダリーニ覚醒しますが、制御が難しくなってクンダリーニ症候群になったりします。
後者であれば自然にクンダリーニが活性化します。
そもそも、順番として2つの潮流があると思います。
・クンダリーニを活性化させてから浄化する。
・浄化してから(自然に)クンダリーニ活性化させる。
ヨーガや魔術、スピリチュアルで盛んに行われているのは前者の方で、まずクンダリーニを活性化しようと秘術を用います。
しかし、私の理解したところによりますと、浄化をすればクンダリーニは自然に動き出すのです。
クンダリーニという特別なエネルギーがあるわけではなく、体の中のエネルギーが高まる時に感じるものを俗にクンダリーニと呼んでいるだけのことです。
ですから、最初からエネルギーが高まっている人はクンダリーニ経験が起こらないわけです。
思いますに、エネルギーが元々低い人や浄化されていない人がクンダリーニ経験をするように感じられます。最初からかなりの浄化された状態でいる人はクンダリーニ経験が起こらない、というのが私の理解です。私の周囲にも、いつまで経ってもクンダリーニ経験起こらないと言っている人がいて、実のところは既に子供の頃からかなり浄化済の人でしたのでエネルギーが高まっており、いわゆるクンダリーニ経験後とさほど変わらないエネルギーをお持ちのお方もいらっしゃいます。ですから、クンダリーニ経験にこだわる必要は全くないのだと思います。
男の場合は概してエネルギーが低いのでクンダリーニ経験を経ることが多いように思います。一方、女性は最初からエネルギーが高まっている場合が多いような気が致します。
クンダリーニ経験のことが話題になるのは男性のことが多いというのも、このあたりの事情があるのかもしれません。ヨーガはそもそも男性のものであったわけで、それはこのような事情で男性がエネルギーを高めるための手法として生み出されてきた、という歴史的背景もあるのではないかと推測致します。そう考えるのが筋が通っています。
最近ではヨーガのグルであっても浄化を重視している人も増えてきたようですが、インドでは秘術を重視してクンダリーニ活性化させている方が大勢いらっしゃる感じが致します。私がインドのリシケシで通ったスクールのグルもそんな感じでしたね。
男のヨーガのグルがどこか浄化されていない部分を残しながらもクンダリーニが活性化して能力(シッディ)が現れたりしている状況を見て、私はどこか疑問に思っていました。それが、最近はふに落ちるようになりました。上記のように、秘法を用いてクンダリーニを活性化することはできますので、それ故に、ヨーガのグルが浄化し切ることなしにクンダリーニを動かすことができるのだと思います。
それを良しとするのか、本流ではないと見なすのか、それは各人の判断によると思います。私の場合は、浄化こそが重要と思いますので秘法を用いてクンダリーニ活性化することにあまり興味はありません。
秘術を用いてクンダリーニを開花させない方が良いというのは私の意見であって、秘術を用いたいのならば自分の好きにすれば良いと思っています。ですから、他人にどうこうすべきというつもりはありませんが、私は、クンダリーニより浄化が先だと思っておりますし、浄化せずにクンダリーニ覚醒させるから取り返しのつかない問題が起きるのだと思っています。
インドのとあるグルの物語でも浄化を重視して、秘法に頼ってはいませんでした。これが正しい姿なのだと思います。
基本はそうなのですが、クンダリーニを動かす秘術は避けるべきであっても、エネルギーのルート、ヨーガでいうナディの浄化の行法は有用だと思います。ですから、ヨーガの全てが悪いわけではなく、魔術の全てが悪いわけでもなく、スピリチュアルの全てが悪いわけではありません。まあ、当然ではありますが。
ナディの浄化に相当する行法は行うとすれば、瞑想もそうですし、呼吸法のプラナヤーマや体操のアサナにしても浄化が目的であれば十分に役に立ちます。危ないのはクンダリーニを無理に動かそうとすぐ秘術であり、例えばヨーガのバストリカ呼吸法や一部の魔術の手法になります。
まあ、そうは言いましても、止めてもやる人はやるでしょうし、別にそれを止める義理もないですし、もしかしたらうまく行くかもしれませんし、そういうのは個人が好きにすればいいのだと思っています。