普通に思われているような前世は地上に囚われていて昇天できずに次の体を見つけるパターンですので、あまり良いものではありませんし、本来の魂の成長という観点からしたら割とマイナーケースになります。
似たようなもので、死後に魂が分離して、高次の部分が昇天して、低次の部分が地上に「影」のように残される場合があります。その場合、そのまま時間が経って風化する場合もありますし、やがて時間をかけて昇天する場合もあるにはありますけど昇天は難しくて、多くの場合はしばらく地上に残って、運が良ければ最初のパターンと同じように次の体を見つけて転生します。
また似た感じですけど、昇天するほどではないにせよ、あの世に存在している浄土とかいわゆる神界(日本人は、日本神界の転生者が多いです)にしばらく漂って生活した後に転生するパターンです。この場合も割と個性を保持しておりますので、いわゆる普通の転生と似ている面もあるにはありますけど、やはり昇天していないパターンです。これは一応は神界にまで上昇しますので昇天と似ていて勘違いされやすいですけど、昇天した場合は自分の属するグループソウルに溶け込んで個性を失う状態になります(一応、コアはその中に残ります)ので、やはり個性を残したままあの世を漂うという点からすれば、いかに神界といえども、昇天はしていない状態になります。
このような、昇天せずに地上を彷徨う、あの世を彷徨う、というのは普通にあって、天国のような神界であれば割と幸せに暮らせるといえばそうなのですけど、そうして転生を繰り返したとして、それは一応は前世ということになるにはなりますけど、その間に魂の分離も繰り返したりして高次の部分だけ昇天してグループソウルに帰ったりしますので、前世はあるといえばありますけど、完全な前世というわけでもないわけです。
完全に同じ人としての前世というのは、最初のパターンのように、部分的にでも昇天できずに丸ごと地上に残されてしまっている場合ですので、あまり良いものでもなく、分離して高次の部分が昇天したけれども低次の部分が地上に残されている場合は、前世とは言っても、前世のうち、よくない部分のみ引き継いだ今世であったりするわけです。はたまた、天界に行けたとしても、昇天できないのであれば、その程度、ということにもなります。
グループソウルは集合意識のようなものでもあり、グループソウルとしての意思というものもありますので、自分の属している分霊が低次の部分だけ地上に残されているのであれば、グループソウルの方から働きかけて、更なる分霊を作り出し、肉体はなくスピリット(魂)のまま、地上に残されている分霊に対して、助け舟に出す、ということも行われます。この場合、グループソウルからまた違った別の分霊が最初に作り出された後に、地上に残されてしまっている、低次の部分のみの分霊と合一して一つになるわけです。それを目指すわけです。この場合、生まれた時の魂の状態に対し、グループソウルから新たに分離した分霊の魂が加わり、融合した状態になるわけです。これが助け舟になるわけですけど、それは最初は高次のハイヤーセルフとして認識されたりガイドとして認識されたりします。ただ、すぐには融合できない場合がほとんどで、そうして助け舟を出した後にきちんと融合するには、まず低次の側、地上に残されている方がそれなりに努力して自分を浄化しなくてはならず、そうしないと、高次の側からは近づいていけないわけです。まず低次の側が努力して、その後、グループソウルの側から出されている助け舟としての分霊が最初はハイヤーセルフあるいはガイドとして認識され、最初は分かれているものの、やがて融合するわけです。融合できない場合はただ単にガイドとして近くに留まります。自分の属しているグループソウルが自分(分霊)のことを一番よくわかっているわけですから、自分のガイド、自分のハイヤーセルフに頼るのが一番なわけですけど、その大元を辿るとグループソウルなわけです。
地上に残される場合、地上から浄土あるいは神界にまで上昇する場合、そして昇天してグループソウルに還る、というパターンがあって、その基本形に加えて、グループソウルからの新たな分霊が地上で生まれたり、はたまた、既に地上にいる縁のある自分と同じグループソウルの分霊に対して手助けとして分霊が新たに作られてガイドになる、あるいは、一体となって融合する、という有機的な結合と回転・循環がなされているわけです。
こうしてみますと、前世とか、過去生というものはグループソウル全体としての経験の融合であって、個人のものではないということがわかります。時にグループソウルのとある分霊が何某かの経験をしたとしましょう。それが(昇天してグループソウルに融合した後に)グループソウル全体に共有されますから、そのグループソウルから新たに分かれた分霊は、その同じ記憶をほんのりと持つことになります。こうして、何人もグループソウルから分霊が作られたとすれば、同じ過去生の記憶を持つ人が何人も出てくるわけです。
歴史上の有名人が過去生のような気がする、というお話があったとしても、それが離れた時代のものであればあるほど、ただ単にグループソウルで記憶を共有しているだけ、という場合のことがほとんどなわけです。
普通に思われている、まったく同じ人が転生する、みたいなお話はあまりいいお話ではなくて、昇天できなくて地上に残されていて前世の記憶がある、という場合も普通にあるわけですけど、そのような状態はスピリチュアル的な魂の成長から見たらあまり重要ではないと言いますか、本筋ではありませんので、そういうことがあるからと言ってあまり気にする必要はなくて、そういうこともある、と思っておくくらいで十分なわけです。
本筋はやはり、死後にきちんと魂の全てが昇天してグループソウルに融合する、帰還することが本筋なわけで、そうなれば、経験は全てグループソウルに共有されるわけです。