ケチャリ・ムドラはハタヨガなどで行われている行法のうちの一つで、端的に言えば舌を上げることではありますけど、実際のところそれはエネルギー・ルートに大きく関係しているように思います。
眉間のアジナからサハスララへと通るルートは一旦は後頭部を経由して上わけですけれども、その時、「半歩」とも呼ばれる壁を通り抜ける必要があります。
その半歩を通るために、どうやらこのケチャリ・ムドラが有効に働いてくるように思うのです。
とは言いましても文献を見ても明確にそうであるとは書いておらず、これは割と私の実体験に基づくもので、万人あるいは一般的にそうであるとは限らないのですけど、少なくとも最近の感覚で言いますとケチャリ・ムドラをするとこの「半歩」を超えてエネルギーが眉間のアジナからサハスララに通りやすくなるように思います。
また、ケチャリ・ムドラそのものをしなくても、喉の奥を大きく開けるようにするだけで割と同様にエネルギーが通りやすくなるように思います。
ケチャリ・ムドラでは舌を上げるわけですけれども、舌の先を上げるというよりは喉の部分を大きく上げる、というところが効果が出るポイントかな? という気が致します。これまた文献にそう書いているわけでもなく、流派によっては単純に舌を上げる、くらいにしか教えられておらず、例えばクリヤヨガでも特に深い注意点などはなかったように思いますので、これはあくまでも私の感覚で言うとこうである、というお話です。
そのように喉元を開けるようにするとエネルギーが「半歩」を超えてサハスララにまで上がりやすくなるように思うのです。