海が凪(なぎ)の状態で風がなくなって穏やかな水面になるのと同様、瞑想をしていると不意にふっと意識の凪の状態が訪れます。それは清浄な意識のことでもあります。
清浄といえばそうなのですが、それよりも凪と言った方が正確かと思います。これを「透明」とか「無」とか言う人もいらっしゃるかもございませんが、何もなくなったわけではないのは明らかですので「無」と言うのは語弊があるような気が致します。意識はあるのですが意識が凪の状態になるのです。意識の波立ちが穏やかになっていることをはっきりと感じ取ることができます。
その状態になってから心の中でオームを唱えるとオームが体のどの部分に反応するのかがよくわかります。
アーは眉間。
ウは胸
ムは下腹部
もともとオームは古代において3節で唱えていたと言いますから、私の場合、アーだけ頭の中で唱えると心地が良いです。
意識が凪の状態になり、アーを唱えると眉間がザワザワとした感触になります。
このザワザワとした感触はマントラを唱えたりアサナ(ヨガの体操)をしたりするとそのような感触が出ることもありますし、瞑想中に感触が出ることもございます。
しかしながら、このように意識を凪の状態にしてアーだけを唱えるととても純粋に眉間が反応しているように思われるのです。他のマントラではこの感触を長く続けることができますが、このように意識が凪の状態でアーだけを唱えると強すぎる感もあります。そのくらい眉間に反応が出ています。無理して続けようとするとクラクラして来るくらいです。
色々と試したところ、この2ステップがとても効果的で自らの意識を変えてゆくのに良いような気がしています。
どう変わるのかはこれからのお話ですが。
なんとなく直感としてこの2ステップが良いように思えたのです。
1.意識に凪の状態が来るまで瞑想する。この時はまだマントラを唱えない。
2.凪の状態でマントラを(心の中で)唱える。
こうすることで、マントラが単なる心の詠唱ではなく深いところに直接的に働きかけるようになるような気が致します。